ゆるく性的描写がかかれてます。ゆるいですけど
苦手な人は綺麗にスルーしてくださいね
朝食と愛のセオリー
夜明けから暫くして
船底のこの部屋の小さな窓からもようやく朝日が差し込みはじめるころに
いつも彼は目覚め、キッチンへ向かう。
特に理由はないけれど今日はなんとなく、なんとなく甘えたい気分だったのよ。
「行っちゃヤ」
上半身を起こし、ベットの下に散らばる服を拾い上げるサンジ君の腰に絡みつくと「ナミさんはも少し寝てていいよ」なんて優しく微笑みながらも、君はシャツに腕を通すから
「やぁだ」
「どーしたの」
「行っちゃヤダぁ」
寝ぼけてるのか、やたら素直な私はサンジ君の腰を益々強く抱いて、顔をグリグリ押し付ける。
「だってナミさん、朝飯作んねーと」
「まだ行っちゃダメー」
君はちょっと考える風に顎に手をやると、観念したのか再びベッドに潜り込んできた。
「こうしてれば、また寝れる?」
私はぎゅーっと抱きしめられて、背中をぽんぽんあやされる。
「やぁよ、寝ないわ。一緒にいたいの」
さっきから随分と甘ったるい声を出してる私は、負けじとサンジ君をギュッとしてる。
ヤダヤダーなんて駄々っ子みたいに。私から甘えるなんて珍しいことなのよ?すると下腹部あたりに違和感が。
「たっちゃった」
「…なんでよ」
「あんまりナミさんがかわいいもんで」
あーあ。なんて。
どーしてくれんの。なんて。
私の体を左右に揺さぶって。
クスクス笑いながら準備中の彼のコックさんを指先でノック。
「コラコラ」
ますますノック
「コラコラコラ」
「ダメなの?」
上目使いで言うと同時に一気に擦り上げれば、それはすっかり戦闘準備が整って。
「あぁーもー…ナミさぁん…」
ダメだってと弱々しく宙を仰いだ。
ふふっと笑ってキスを。
キスしながらペニスをさすればピクっとサンジ君が感じたのがわかったもんだから、調子に乗って益々しごき上げてやる。
うっとか唸っちゃって、かーわいい。
空いている手で乳首をピンと弾けば「あぁ」と君の半開きの少々乾いた唇から吐息が漏れる。こういうときは、セクシーだ、と正直に思ったりする。
瞳を緩く閉じて少し顎を上向き具合にして感じているサンジ君の首筋に、俄かに光る汗。
カウパーを塗り広げ、尿道に中指を添え、握りを強くしてピストンを早めれば。
君は早くも虫の息だ。ついでに乳首に吸い付く。
「っ…ナミさん…イキそ…」
「ダーメ」
ぱっと手を離して顔をのぞき込んだら、なんで?なんて、捨てられた子犬みたいな顔してシュンとしてしまった。
ひとりでイクなんてずるいじゃない。
「私にもして」
さっきまでの子犬フェイスはどこへやら。狼に豹変して、私はガバッと組み敷かれた。
*
さんざん鳴かされた後に、何をするでもなく仰向けに寝っ転がってボーと天井にゆらゆら登るタバコの煙を眺めている。
「やっちゃったねー」
「やっちゃったねー」
「仕事ほったらかして、悪い子ね」
「自分で誘っといて、そりゃないよ」
「コックがクルーのお腹より自分の性欲を満たすなんてねぇ」
「…まいったな。勘弁してくれよ」
料理とセックスを天秤にかけないでくれなんて、枕に顔をうずめてしまった。
バカね、並び立たないものだからこそ、聞きたいんじゃない。
「そこはセックス、じゃなくて、ナミさんとのセックス、でしょ?」
「…だったら答えるまでもねぇだろ?」
私がたまに仕掛ける質問に、君はいつも同じ答えを出してくれるもんだから。懲りない男だと思いながらも、私も大概懲りない女である。
「あいつらそろそろ起きてきちゃうわね」
「あ―…じゃあ今回も、愛のスペシャルメニューっつーことで」
「愛の、ねぇ…」
「愛の、だろ?」
時々朝食がトーストとコーヒーだけになる理由は
他のクルーには秘密だ。
08.11.26
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