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別にエロくはないですが、サンジとナミさんが関係を持ってますのでご注意ください。


ライク・ア・ヴァージン



「あ、ちょ、ちょっと待って、ま…あ、あ、あ…」

我ながら色気のない声を出したと思う。
もしかしてイッちゃた?なんて、わかってるくせに君は嬉しそうに言うもんだから。 かもね、と、思っていたよりもしっかりしたサンジくんの胸にぐったりともたれかかって、これまた色気のない返事をした。


お気に入りの革張りソファに、後ろからすっぽり抱きすくめられる形で君の足の間に座り、 少々無理な体制になりながらも時折キスをしていたと思ったら、いつの間にか胸に手が伸びていて、 かと思ったら足は肘掛けにかける様にパックリ開かれていて、そんで下着の中に手が入り込んでいた。

その実にスムーズな流れに少々呆気にとられる。
呆気にとられながらも見下ろす先にあるのは、露になった自分の胸と、ジッパーが降ろされ下着があらわになった下半身。
それは自分で致す時と似た光景だったが、下着の中に入り込んでいる指が私のものより幾分長くて太くて筋張っていて(とは言っても男の人にしては細くきれいな指だ)、非日常的な光景に見えたし、そう言えば電気も消していないことに気が付かされ少々照れた。

そんなことを考えている間に一番敏感なそこの包皮は剥かれ、優しく撫でられる。
料理の仕込みをするかのように繊細な慣れた手つきに感心していると、あれよあれよと呆気無くイかされてしまったのだった。
指でそこをイジられるのは好きでないのだが(大抵の男は力の入れ過ぎで、気持ちいいとかはなく痛いのだ)、サンジくんの力加減は絶妙だったから。驚くとともにブワッと絶頂が押し寄せてきて、待ってと言っている間にイッてしまった。
そんな時に出てきたのが、上記した色気のないセリフである。

その後も気がつけばソファからベッドに場所が移っていたり、一糸まとわぬ姿にされていたりと、
与えられる快楽に溺れているうちに、次々と事が進んでいった。
彼と肌を合わせることは初めてのはずなのに、私の弱い所は尽く暴かれていき、最後には文字通り骨抜き状態にされてしまった。



「もしかしてプロの人?」

「え?なんの?」

「セックス」

「はは、セックスにプロなんているのかい?」

「いやなんか、随分なれてるなーって、思って」

「そんなに気持ちよかった?」

「バーカ」


事が済んだ後、私は肩を抱かれながら、高くした枕に二人並んでもたれて座り、サンジ君は時折タバコを吹かしたりなんかして、典型的な"事後の様子"といった状態で余韻に浸っていた。


「いったいどのくらいなのかしら」

「んー?」

「サンジ君がお相手した人数は」

「そんなの知ってどうするのさ」

「随分な人数いるんだろうなーと、思って」

「はは、そんな大層なもんじゃないさ」

「50人くらい?」

「まさか。…片手で足りるよ」

「えー!うっそ!」

「…いやごめん、それは嘘かも。でもまあ…両手では足りる…かな?」

「ウソだぁー」

「数えたことなんかねーし正確にはわかんないけど…ていうかナミさん…」


勘弁してくれって言わんばかりのショボンとした顔。
そうね、そうよね。
あんまりにこ馴れている、というか…そう「テクニシャン」だったもんだから。
私の知らない彼の過去にちょっと嫉妬してしまった。
こういった内容は興味はあるけど、お互いなんのメリットもないし?
自分だって同じことを聞かれたら返答に困ってしまうもの。


「ごめん、こういう話は恋人同士でするもんじゃないわよね」

「あー…っと、うん、うん。そうしてもらえると有り難い…ていうか…え、今なんて?」

「ん?このお話はもうオシマイって」

「言ったまま、さっき言ったままもう一回言って」

「え?ああ。"こういう話は恋人同士でするもんじゃないわよね"って」

「コイビトドウシ…」

「え?何?」


ガバっと抱きしめられてキスをされた。息が出来ないほどに深い深いキスを、角度を変えて何度も何度も。
さっきまでのそれはそれは甘いやつとは違って、なんていうのか、無我夢中?「テクニシャン」と形容した彼はどこへやら、キスを覚えたての少年のような。


「ちょっとちょっと、どうしたのよ」

「ナミさん、おれの恋人になってくれるの…?」

「…へ?」


また我ながら色気のない声を出したと思う。
サンジくんは真っ直ぐで泣きそうな瞳でこちらを見つめ、私の肩を強く握る。


「・・・言っとくけど。私は恋人でもない人間とセックスなんてしないわよ?」


なんて。そんなのはウソなんだけどね。
こんなことをチラと思っているうちに、そのままもう一度強く強く抱きしめられた。

ウソ、というか、これは願望だ。恋人としかセックスしない、というのは私の願望であって、その願いはとうの昔に破られている。
この船に乗ってからはそんな理不尽な思いはしていないけれど、ある意味で私の人生はルフィやみんなと仲間になってからリセットされたと思っている。
これからの人生では、恋人としかセックスしないのだ。そういう意味では私はついさっきまでヴァージンだった。そういう気持ちでサンジ君と体を重ねた。えらく一人よがりな考えではあるけど。そう思える人間に出会えて私は幸福なのだ。


「愛してる、愛してる。一生大切にする。何があっても、君を守るよ。」


サンジ君はうわ言のように、だけどしっかりとした口調で、愛の言葉をささやき続ける。
私はうっかり泣きそうになるのをグッとこらえて、期待してるわ、なんて、余裕なふりをして笑った。
そのまま再びサンジ君に抱かれることになったのだが、一度目のそれとは打って異なり、二度目のそれは随分と荒々しいというのか、なんというか、彼は切羽詰まっていたのだった。



「なんか、余裕なくてごめんな」

「んーん。いいのよ。逆に安心した」

「安心?」

「実は最初の時はさ、サンジ君随分余裕で紳士的だったしちょっと気後れしちゃってたんだけど。でも今のはなんかさ…うん、うまく言えないけど。」


安心したわけよ、と言うと、またも泣きそうな顔で私の肩にもたれかかった。


「いやホント、ごめん。普段はこんなんじゃないんだけど…」

「ふふ、知ってるわよ」


彼の頭を私の方に引き寄せて、小さな子を扱うようにぽんぽんとあやした。


「ナミさんと恋人同士になったんだーって思ったらなんつーか。気が動転したっつーか…余裕が全くなくなっちまって…」


カッコわりーとこ見せちまったなぁ…なんて言うもんだから。そんなことないわよ、と言うのを飲み込んで、代わりにふふと笑ってみせた。

彼は百戦錬磨の手練なのかもしれないけど、もしかして私と同じかしら。なんて思ったのはこの時。
愛する恋人とシたのは初めてなのかしら?
なんて、なんの根拠もない想像をする。だとしたら、彼の貞操を奪ったのは私。
そして、私のヴァージンを奪ったのは彼。

そんななんとも不毛な、だけどちょっぴり素敵な妄想をしながら、三度私は彼に抱かれるのであった。





2013.10.03

タイトルは言わずと知れたマドンナ「Like A Virgin」。
歌詞の内容が(私の妄想上の)サンナミっぽくって好きなのです。

ナミさんが骨抜きにされてしまったのは、サンジさんがテクニシャンだったからってだけじゃないわよきっと
ってのをどっかに入れたかったけど忘れていたので、ここに書いておくことにする。笑



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